体脂肪燃焼系エクササイズ
最近「あるある大辞典」という番組で、有酸素運動と筋トレの激しい3分エクササイズが紹介されました。
実は、その理論は2000年頃に同じトレーナー連盟の権威者である、トーマス・フェイ博士が雑誌でも紹介していたのです。
この意見は後に、更に実現性を増す為にと、各分野のトレーナーがこの理論を元に独自エクササイズを色々と考案するに至っています。
「有酸素運動&無酸素運動」のコンビネーションは、今や現代フィットネス界の主流であり、又結果が確実に出る理論だけに、今回改めて紹介したいと思います。 この理論を理解すれば、あなたもきっと望みを達成できるでしょう!
(以下トーマス・フェイ博士の記事)
私や他のトレーナーが今迄雑誌で掲載してきたアドバイスに従えば、たとえ遺伝子的に太りやすくとも、きっと希望の肉体に近づけた事でしょう。
我々が伝えてきたメッセージとは、引き締まった肉体を手に入れるには、有酸素運動と筋トレと正しいダイエットのバランスが必要だという事です。
もしそれでも、減量が上手く行かなかったとしても、失望しないように!
どんなに頑張っても結果が出なかったという人も、この記事を参考にすれば、更に体脂肪を燃焼し、筋肉を引き締める事になるでしょう!
■脂肪燃焼マシーンに体を変える
車のようなマシーンは、エンジンからパワーを生み出すのにガソリンをエネルギーとして利用します。 あなたの体も同じで、食べ物をエネルギー源とし、筋肉からパワーを生み出します。
しかし人間の体は、摂取した殆どのエネルギーを浪費します。
プロテインシェイクや栄養バーや食事からエネルギーを摂取しても、ほんの極一部しか動的エネルギーとして利用されず、殆どは熱エネルギーとして浪費されるのです。
原始時代では、この様な状態では困ります。 何日も食べ物を求め、森や川の中をあさるように動き続けても、体から熱エネルギーしてどんどんカロリーが浪費されるのですから。
何百万年に亘る人類の進化の過程で、一部の人類は熱でカロリーをあまり消費しない、効率の良い進化を遂げた者も居ます。 これは非常に優れた適応進化なのです。 こうする事で、何日も食べ物が口にできなくとも、熱エネルギーとして殆どカロリーを消費せず、生き続ける事ができたのですから。
その後時代は変わり、高脂肪食であるハンバーガーショップや特大ピザ店やフレンチレストラン等が並ぶ、食の飽和時代となります。
何万年の歳月をかけて、体のエネルギー利用の効率性を高める進化を遂げてきた人類の遺伝子は、ここに来て悪玉として吊るし上げられます。 エネルギー効率の良い、低燃費型遺伝子は、食不足時より食過剰時の方が、より生命の危険性を高める事になったのです。
またそれに加え、現代では過剰に食べ物を食べながら、運動をしない生活に浸るようにもなりました。 この結果、人は肥満になる傾向にありますが、その理由として挙げるなら、2つあります。
1つは運動をしなくなった為カロリー消費が少なくなったのと、もう1つは結果的に使わない筋肉は、減少する事になったという事です。
筋肉の量は、1日における基礎代謝によるカロリー消費量を決める直接の要因となります。
筋肉の量が多い人は、少ない人に比べ、何もしていない状態でも消費カロリーが大きいのです。 ですから、もし筋肉を活動的に毎日使うなら、筋量が維持され、自分自身を“カロリー消費マシーン”に変身させる事ができるのです。
■エネルギーバランスが体脂肪をコントロールする
食べ物による摂取カロリーと、運動による消費カロリーのバランスこそが、唯一体重の増減を決めます。 こう発言すると、非常に簡単で単純にも聞こえます。
この理屈なら、運動量を増やし、単に食事量を減らせば良いだけですから。
ならばなぜ、体脂肪をリバウンド無く抑える事が難しいのでしょう? 何が問題なのでしょう?
あなたの体は常に一定の体重を維持しようと努めます。
それゆえ、あなたが減量を試みると、体は基礎代謝率(カロリー消費)を下げ、同時に食欲を増す事で、体脂肪の備蓄を減らさないようにと“防衛モード”に入ります。
(だからと言って、この理屈をダイエット失敗の言い訳に利用しないで下さい。我慢すれば、この生理機能に逆らって体重減を達成する事ができるのです)
殆どの人は、体重減をすると筋肉を失います。 筋肉は体内で最もカロリー消費が大きい要素です。 筋肉を減らす事で基礎代謝率が低下し、カロリー消費率が低下するのです。 しかしそれが脱力感を生み、エクササイズをする気も萎えさせてしまうのです。
極端に食事からカロリーを制限すると、カロリー消費の為として行うエクササイズの、“最低限の運動エネルギー”すら枯渇する事になります。
科学者達は現在、体重のコントロールを長期的に考えるなら、筋量の維持こそがカギを握ると考えます。 ですから、筋トレを減量プログラムに追加する事で、リバウンドを避け、減量に成功する確率を上げるのです。
しかし、たとえ食事制限とエクササイズをしていても、結果を出せない人も居ます。 それは、エクササイズの強度が低いからです。
多くの人は、強度の弱いエクササイズの方が、より“体脂肪”を燃焼する効果が高いと信じているからです。(強度の高い筋トレなどの負荷運動は、炭水化物をエネルギー源とし、強度の弱い有酸素運動は、体脂肪をエネルギー源とする)
それは確かに一理あるのですが、トータルカロリー消費量で考えると充分ではありません。
同じ30分のエクササイズをするのなら、激しいエクササイズの方が遥かに強度の弱いエクササイズよりカロリー消費があります。
ですから痩せたいのなら、筋トレをプログラムに加える事で、より多くカロリーを消費し、同時に筋肉の損失を防ぎ、また運動後もカロリー消費が継続される訳です。
ノルウェーでの研究結果では、運動後のカロリー消費量は、今迄一般に認知されていた以上に大きい事実が確認されました。
National Institute of Occupational Health(国立職業性健康管理局)のロナルド・バー博士は、運動後のカロリー消費量を測定する為、運動後の酸素消費量を計測しました。
ロナルド博士が調査したのは、エクササイズの強度と持続時間と食事内容が、肉体にどの様な影響を与えるか?というものでした。 これらは、体脂肪を除去したいと考える人達にとって非常に重要なポイントです。
先ず最初に確認したのは、30分エクササイズをすれば、運動後12時間で総計150カロリーも多く、運動しない時よりカロリーを消費するというものでした。
これは運動中カロリーを消費するのみでなく、運動後も体は継続してカロリーを消費し続けるという事です。
150カロリーとは、30分エクササイズの50%を占めます。言うなれば、30分運動した後に、何もしていないのにも関わらず、更に15分間ジョギングやエアロバイクを漕いだ事になります。
ロナルド博士は更に、運動後に体の脂肪を消費する率が、300%増加している事も確認しました。 |
ジェニファー・ラブ・ヒューイット |
■運動後は体脂肪優先型
運動後は、(運動していない時に比べ)脂肪をエネルギー源として利用する率が増加するのです。
特に運動後の脂肪燃焼率が上がるのは、筋トレなどの負荷運動をした場合です。
激しく強度の強い運動をすれば、それに比例して運動後の脂肪消費効果も高まるという事です。
ご存知のように、運動の強度が弱い有酸素運動などは、運動中体脂肪を優先的に消費します。 それとは逆に、筋トレなどの無酸素運動は、運動中糖質(炭水化物)をエネルギー源として消費します。
しかし運動後となると、無酸素運動の方が有酸素運動より、より多く体脂肪を消費するのです。
激しい運動は、他にも有益な副産物とし、新陳代謝時に生じる熱により、より多くカロリーを消費する事にもなります。 この熱による無駄なエネルギー消費を、専門用語では“浪費サイクル”(futile
cycling)と呼び、特に強度の強い筋トレなどをした場合には、アドレナリン等の興奮性ホルモンの分泌が、浪費サイクルを更に促進させるのです。
ですから、強度の強い運動をした後は、興奮性ホルモンの作用により、持続的にカロリーが消費されるのです。
科学者達は、脂肪の良い性質も悪い性質も、共に理解し始めています。 長期的な体重コントロールは、難しい事を理解しながらも、健康で引き締まった体を手に入れる法則を発見しています。
もしあなたに頑張る意思があるのなら、望み通りの体が手に入るのです!
希望の肉体が手に入らないのを、遺伝のせいにしてはいけません。とにかくやれば良いのです!
【体脂肪燃焼型トレーニングの秘訣】
●筋トレをエクササイズの中に占める割合を大きくしましょう
そうする事で、筋肉を引き締め(同じ大きさでも密度が高い)、より多くカロリーを消費する体に変身できるのです。
又、筋トレをする事で、減量中の筋肉の損失を防ぐ事も可能になります。 筋肉は体の中で最も新陳代謝率の高い、カロリー消費型細胞です。 大きければ(もしくは小さくても密度が高ければ=引き締まっていれば)大きい程(密度が高い程=引き締まっている程)、カロリー消費が大きくなるのです。
激しい運動により、筋肉の温度を上げるのも、重要なポイントです。 そうする事で、熱放出によるカロリー燃焼が、運動中も運動後にも促進されるのです。
● 筋肉が充分熱を帯びるまで、長く激しくエクササイズをしましょう
そうする事で、ホルモンの分泌が促進されるのです。
運動を持続する時間も大事ですが、運動の強度と激しさも重要です。 そうする事で、運動後に体脂肪の消費率を高める事ができるのです。
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インターバルトレーニング
ハイスピードエクササイズと、休息を繰り返すインターバルトレーニングは、激しさと強度を狙う良いエクササイズです。ジョギングや水泳やサイクリングや歩く事だって、インターバルトレーニングとなります。
例えば競技場のトラックへ行って、準備運動後に800mを走り、その後歩く(もしくはジョギング)で流します。 これを繰り返します。 慣れてきたら、徐々に距離を1.5キロ、3キロと増やします。 しばらく続ければ、みるみる体脂肪が消えていくのに驚くでしょう。 |
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時折1日2回エクササイズをしよう
頻繁に運動する事で、エクササイズの効率が上がります。走りで例えるなら、同じ単位時間内で、走行距離が伸びるの為、トータル消費カロリーも増えるのです。
又、運動後の高い新陳代謝レベルが、1日を通じ高いままで維持され、運動をしていない時間も沢山カロリーが消費され続けるのです。
例えば朝にエクササイズをし、早めに夕食を摂り、夜8時か9時頃にもう一度エクササイズをするのです。
● 1日を通じ、活動的でいましょう
1日中座って仕事をするのなら、新陳代謝率を低下させる事になります。 ならば出来るだけ体を使うチャンスを作りましょう。 例えば駅を1つ手前で降りて家まで歩くや、エレベーターの替わりに階段を利用したり、子供や友達と体を使ったゲームをしたりします。
基本ルールとし、1日最低でも30分間肉体を使うように心掛けましょう。
● 摂取カロリーの管理を怠らずに
1日中運動をしていても、食べ過ぎているなら体重や脂肪は減りません。
低カロリー食に心がけ、野菜やフルーツや全粒穀物を意識して摂りましょう。
最後に
遺伝がどうのと言い訳しない事! どんな肉体でも、しっかり食事を管理し、一生懸命継続してエクササイズすれば可能です。
誰もそれが簡単などと言ってません。 しかし充分トライするに値するほど、目指す肉体を手に入れれば、健康でカッコ良く楽しい人生が送れるでしょう。
ソース元:Muscular
Development July '2000 issue
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