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ウインブルドン・テニス・トーナメントでおなじみの、クリス・エバートがウエイト・トレーニングをトレーニングに加えていたのは有名で、その後沢山の選手がウエイトを採り入れたものです。 しかしいつも私はそれら人達が、パーシャル・スクワットをしているのに首を傾げるのでした。 彼等パーシャル・スクワットをする人達の考えでは、パーシャルだから膝や関節を傷めずに済むというものでした。 確かに関節は大事にしなくてはなりません。 アメリカでは5千万人の人が関節炎で悩んでいます。 それら症状は、時に激痛をもたらし、鎮痛剤無くして暮らす事が出来ない程です。 コナン・バーリアンだったでしょうか? 「痛み無くして成長はない」と言ったのは? 確かに関節にも言える事ですが、負荷を与えると関節にある軟骨が強くなり、更に潤滑が良くなるのです。 しかし、それにも限度が有ります。 もし過度のストレスを関節に与えると、それら関節にある軟骨が潰れたり磨り減ったりしてしまうのです。 関節にある軟骨は、骨と骨が摩擦で減らない為にあります。 これら軟骨は、血液が供給されない為、シノビアル液 (Synovial fluid)という潤滑液によって、栄養補給と老廃物除去が行われます。 この潤滑液が充分でないと、軟骨が磨耗し、関節炎となるのです。 その破損が大きな場合、修復不可能に陥る事も多々あるのです。 この軟骨への栄養補給をする潤滑液は、常に関節を動かしているから行き渡るのであって、もし関節をギブスで固定するとなると、逆に軟骨に栄養が補給されなくなり、更に状態が悪化する事があります。 例えば、長い間イスに座っていると、膝の関節に充分な潤滑液が巡らないので痛みを感じるのが良い例です。 <科学者の意見は?> 第二次世界大戦中及び大戦後、兵士は脚力を強化する訓練として、ダックウォーク(しゃがんでする歩行)をしてきました。 しかし1960年代、整形外科医がその様なエクササイズは膝に無理な負担をかけ、関節を傷めるとし、コーチに警告したのです。 確かにある意味で理屈の通った意見のようですが、一方でこのエクササイズを否定するだけの科学的根拠は一切無いのです。 そして更にこの意見が延長し、フル・スクワット(深くしゃがんでするスクワット)をすべきではないという意見が定着したのです。 近年ペンシルベニア州にあるDepartment of Orthopedics and Rehabilitationで行なわれたケビン博士の研究では、 ネズミにウエイトの付いたベストを着用させ、レッグプレスを25レップスを2セットさせ、膝にどのような影響を与えるのかを6週間にわたり観察してみました。 研究の結果、ウエイトトレーニングをしたネズミの膝関節の軟骨には、していないのネズミのと違い、ダメージが確認されたのです。
オターネス・グループの研究では、車椅子や寝たきりの動かない生活では、シノビアル液の分泌を低下させ、それが関節の軟骨を破壊するという結果を得ています。 現在までのところ、適度な運動は関節の軟骨を強く、良いコンディションにするという事が幾つかの研究で報告されているものの、やはり極度のインパクトやストレスが関節にかかるものに対しては、マイナス効果があると認識されています。
トミー・コノ(Tommy Kono)氏は、ウエイトリフティングで1952年と1956年にオリンピックで金メダルを獲得、1960年には銀メダルを獲得したという業界きっての最も偉大な選手でした。 そんな彼はヘビーウエイト・トレーニングの関節への悪影響など一切考えてもおらず、事実正しいフォームとテクニックがパワーを増加させると説いてきました。 オリンピック・ウエイトリフターのジェフ・マイケル選手も、トミー・コノ氏の意見に以下の様に同意します。 上記の意見に対し、人体工学を研究するジャッキー・ハドソン教授も同意します。 <関節を守るポイント> 沢山の研究報告や科学者の意見を基に、幾つかのポイントを最後にまとめました。 以下の要領を心得た上で、ヘビーウエイトを扱えば、怪我になる可能性は低くなるでしょう。 1.正しいフォームで力いっぱいウエイトを挙げる 更に怪我をした場合は、完治するまでトレーニングの開始を待ちましょう。
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