試合の楽しさと、運動の激しさによる有酸素テニス運動が、あなたの技術と心拍数を上げてくれるでしょう

BY ローリー・ドレイク(女性レポーター)

気温20度の青い空、高級住宅地ベルエアの緑に囲まれたテニスコート、それはテニスをプレーするには至福の朝です。

通常鳥のさえずりは、テニスボールをスマッシュする音以外に耳にして心地良いものですが、何と音響スピーカーからはジェニファー・ロペスのサウンドが毎分132ビートで流れ、インストラクターが「やれッ!それッ!!」と生徒がボールをネットに打つ度に気合が入ります。

これが私の今迄知っているテニスではないとするなら・・・正にこれこそが噂のUSオープンで紹介され、始まった、”カーディオ・テニス”です!
その売りは、有酸素運動を1時間プログラムに組み込む事で、シングルやダブルでテニスをプレーする以上に心拍数が上がり、よりカロリー消費が促進されるというものです。

プログラムは通常4人から6人を1グループとし、先ずは10分間のウォームアップの後、45分間の有酸素運動(チームで試合、ローテーションでボール打ち)、最後に5分間のクールダウンとなります。

このプログラムは、USテニス協会とテニス産業界が、近年のテニス人口が減少、もしくは平行線をたどっているのを確認して、「現役のテニスプレーヤーのコンディションを整え、又初心者にテニスに慣れてもらうエクササイズ」とし、テニス人口の増加を狙って考案されたものです。

キャッチコピーは、“もう一つのテニス“で、素早い動きの練習で、楽しく体脂肪を燃焼できる!というものです。
それ故エアロビクス的なバックミュージックが含まれ、スポーティーでファンキーな気分を演じてくれます。

カーディオテニスのプログラムは、現在西海岸の70箇所を含め、全米760ものプライベートや一般のテニスコートで楽しめます。 私はたまたま家の近くのビバリーグレン通りに見付けたから、通う事にしました。

私も最初プログラムに参加した時は、どんなテニスのプレーヤーでもするように、他の参加者のレベルがどれだけ私より優れているのかを査定しました。


ひょっとして左ハンドで私を苦しめる手ごわいプレーヤーか?、それともウィンブルドン級のスマッシュをするプレーヤーか? メンバーには4人の30代から40代の女性が他に居ました。 しかし実際は、それぞれ随分大きな経験の隔たりがありました。 
ティナは高校生の時からテニスをしており、キャシーは6ヶ月前にテニスを始めたばかり。 ジェニファーはもう10年程ラケットすら握った事がなく、つい最近出産を終えたばかり。 

結局私の取り越し苦労だったみたいです。 それは私の腕前が他の参加者より優れているという訳でなく、クラス自体が(私が考えていた様な)他の参加者と極端に敵対させる様な事はしなかったのです。
 
で、問題はフィットネスレベル・・・。 クラスはテニスの補強運動から始まり、コートのラインに沿って、全力で前に走った後、後ろ向けに走るというのを5分間繰り返します。 毎日ダブルスを組んでテニスをしているにも関わらず、私の体力は思ったより弱く、息は上がり、足は乱れ、汗は滝のように流れ、気が付けば必死に他のメンバーに付いて行くのが精一杯でした。
でもサイドステップの時、両サイドのオレンジ色のコーンを目印に、足を横に運んでステップすべきなのに、あるメンバーの一人は、ズルをしている・・・いや、つま先から歩く様に足を運んでいました。 私はコーチから正しい動きのチェックを指導してもらうのに慣れてますが、人の間違いを指摘できる立場ではありません。 なぜならその人は、結局自分のペースにスピードを落して運動を始めたのです。 実はそれこそ、私がすべき事だったのです。


幾つかのカーディオテニスの教室では、心拍計測器を装着させられますが(前のレッスンで使った人の汗がびっしょり付いているもの。 うわぁぁ〜)、私の通うクラスでは、自己管理が義務付けられています。 自己管理とは、「息が続かないと感じたら、運動を止め、足の運びが上手く行かないなら、ゆっくりペースダウンする」と、USプロフェッショナル・テニス協会で17年間コーチを務めるクリスOjakianさんは説明します。

有酸素運動では、最大心拍数の65%〜85%で行う必要がある事を私は知ってますが、運動中はそんな事考えていられません。
実際他のメンバーで、運動を中断して脈を測っている人など居ませんでした。 それこそ運動のリズムを壊すでしょう。

プログラムが開始すると、新しい会員の為にエクササイズの仕方をデモンストレーションで説明する時以外は、静止する事はありません。クリスコーチとそのアシスタントのアンドリューやソーレツが、私達を動かし続けるのです。 
順番にコートを斜めに走らせ、ボールを(バックハンドも含め)打たせます。 次にラケットを置き、目と手の動きの調和を鍛える“お手玉投げ“があります。
(それは、メンバーがクリスコーチを取り囲むように円陣を作り、コーチの周りをサイドステップで回るのです。 コーチが”スイッチ!“と声をかけると、逆方向にステップを開始します。 その間予告もなく、コーチからお手玉が飛んでくるので受け取らねばなりません)


クリスコーチは、「横に移動しながらも、物体に視点を集中する事で、目が鍛えられるのです」と、後に説明してくれました。
「これはテニスのプレー中ボールをラケットで打つ動きを模擬しているもので、目は自分の体が動く方向を見るのではなく(嗚呼、それは私の事!)、物体を追いかける方向を見続けるというものです」との事。

25分のテニス特訓と、10分のサーキットトレーニング(カーフレイズ、スクワット、ランジ、なわ跳び、バランス運動)の後でのラケットのスイングなど、前のエクササイズに比べたら休息のようなものです。 インテリアコーディネーターのティナは、このクラスのレギュラーですが、私の意見と同じです。 彼女曰く「週2回ダブルスでテニスをし、パーソナルトレーナーと一緒に週3回ジムでエクササイズをするけど、こんなに汗をかいた事はないわ。 これはステアマスターやトレッドミルなんかより、ずっと優れた最高の有酸素運動ね! 見て、この滴る汗を!」だそうです。

でもクリスコーチが呼ぶ”ピンポン“(コーチがボールを生徒に投げつけ、それを一度だけ打ち返したら、自分は外れ、次は自分のパートナーがボールを打ち返すというのを繰り返す)という練習の時は、みんな楽しくて笑ってました。 ボールを打ち返す度にコーチが、「上手い!」、「ナイスヒット!」、「天才!」と、全然上手くない私達を励まそうと、大きな声をかけてくれるのは本当におかしく、戦略を練る事など完全に忘れ、思いっきり楽しみました。

一試合を終えた後、皆が最後のクールダウンで足腰や肩や首をストレッチしました。 このクラスの直ぐ後に、飛び入りでもう一つ参加できるのかな?と思ったのですが、残念ながらそれはありませんでした。 それが可能になるには、もう少しカーディオテニスがメジャーにならなくては。

翌日私は足を引きずりながら歩いていました。 昨日あの時点でエクササイズを終了していて良かった・・・。
太ももの内側からふくらはぎの外側まで筋肉痛です。(サイドステップをあれだけやったのが、昨日の試合で上手く行かなかった原因)

このカーディオテニスは私のスイングを磨いたりはしなかったけど、今迄見落としていた基本の動き(足を動かせ!)に磨きがかかりました。 それからこのレッスンのお陰で音楽も好きになりました。 でもカーディオテニスでは、必ずしも音楽をかけて行うのではないらしく、場所によってはオプションになっていると聞きました。 でも実際自分の心臓の鼓動が、バックミュージックになっていたら、そんなの必要ないかもね。

もっと詳しくカーディオテニスを知りたい人は、以下のウェブサイトや電話番号まで。 英語以外は受け付けませんので、あしからず。

上記クラスを受けたい人は、クリス先生のウェブサイトを参照: Chris Ojakian, http://www.ojakiantennis.com , (310) 770-1918.(ロサンゼルス近郊で、週7日3箇所で行っています)
カーディオテニスのコーチやクラスについて全米の情報を知りたい人は、次のHPを参照ください。 www.cardiotennis.com.

記事ソース元:L.A.Times, September 26, 2005より
挿絵:スポーツ&フィットネス・マガジン

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