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ミネラル類:鉄分、銅、ポタジウム、ジンク、マグネシウム、カルシウム、ファスファラス、クロミウム、モリブデン、セレニウム、マンガン

 ミネラル群                                      

 鉄分           不足しやすいミネラル
〜役割〜
 人間のすべの細胞の中に存在します。 又、赤血球の中に有るヘモグロビン(体内に酸素を運ぶもの)は鉄分で出来ています。 従って鉄分が不足すると、ヘモグロビンの生成できなくなり、結果的に酸素を脳や体に充分供給できない状態になります。 俗に云う ”貧血”です。女性は特に生理時に出血というかたちで赤血球を大量になくす為、貧血になりやすいのです。 飽食の国アメリカとて一 般調査によると、男性は3%、女性は20%、妊婦中では50%もが鉄分不足だと発表しています。
 貧血は急に起こるものでは有りません。 体内の30%の鉄分はいざという時の為に、体内や骨髄液の中に貯蔵されています(一般に女性は男性より貯蔵量が少ない)。  それらが時間と共に徐々に不足し貧血に至るのです。 男性や更年期障害後の女性等が貧血になるのは、通常腸内の潰瘍からの出血、又はアスピリンを含む鎮痛剤の摂取によるものと考えられます。

 

〜鉄分不足が起こす症状〜
 青白い肌、疲れ、倦怠感、息切れ、低血圧、舌がヒリヒリする、ツメが折れやすい、異常な食欲、食欲減退、前頭部の頭痛など。

〜鉄分を含む食べ物〜
 海のカキ、レバー、脂身の少ない赤身(特に牛肉)、赤い鶏肉、まぐろ、ツナ缶、鮭、卵黄、干しブドウ、あんず、濃い緑色をした
 葉っぱ類(ほうれん草等)、ブロッコリ、アスパラガス、玄米等

 銅
〜役割〜
 銅は鉄分と共に赤血球を作るのに必要とされます。又、血管、神経系、免疫力、そして健康な骨の維持に貢献します。

〜銅不足が起こす症状〜
 健康を意識した食事をしていれば、比較的不足になりにくいと言われます。

〜銅を含む食べ物〜
 エビ、カニ等の甲殻類、豆類、ナッツ類、ホルモン(内臓)、ジャガイモ、 プルーン、ココア、濃い緑をした葉っぱ類等

 ポタジウム
〜役割〜
 ポタジウムは非常に重要な働きをします。 先ず血中と体内の水と酸性度の比率を調整。 たんぱく質をアミノ酸に分解処理し、炭水  化物をエネルギーに変えます。 筋肉の発達と体の成長には欠かせないものです。

〜ポタジウム不足が起こす症状〜
 ポタジウム不足を起こす人は、持病を持った人や高齢者に見られます。 典型的な例は倦怠感、反射神経が鈍る、筋肉が弱る、乾燥肌です。 急激に不足した場合は脈拍の乱れを生じます。 骨が折れやすくなる、脈拍数が減る、高血圧、心臓病、うつ病、等   (何れも適切な処置がされない場合は死を意味します)はひどく不足した場合です。 ポタジウム不足を起こす原因は色々考えられますが、嘔吐、下痢、内臓問題が挙げられます。

〜ポタジウムを含む食べ物〜
 鮭、たら、ヒラメ、イワシ等は沢山含んでいます。 他は殆どの肉類、野菜ではブロッコリ、トマト(特に皮つき)、ほうれん草、レタス、パセリ、フルーツではオレンジ、バナナ、りんご等

 Zinc ジンク      野菜だけでは不足するミネラル      
〜役割〜
 ジンクは体内の免疫力を正常にし、炭水化物をエネルギーに変えます。 又、細胞の分裂、再生や怪我の回復にも必要です。  味覚や嗅覚もジンクの働きです。

〜ジンク不足で起こる症状〜
 成長不良、食欲減退、怪我の治りが悪い、脱毛、味覚嗅覚の鈍り、病気に感染しやすくなる、薄闇で見えなくなる等。

〜ジンクを含む食べ物〜
 たんぱく質を多く含む食べ物には多くジンクが含まれます。 牛肉、豚肉、羊肉などは、魚類以上に多くジンクを含みます。 鶏肉は白身でなく色の濃い方がジンクを多く含みます。 他にはピーナッツ、ピーナッツバター等。 一方フルーツや野菜に含まれる微量のジンクは殆ど体に吸収されないことから、ベジタリアン(菜食主義者)や肉気を嫌う高齢者のジンク不足は必然となります

 マグネシウム
〜役割〜
 マグネシウムは幾つかの重要な役割をします。 先ずエネルギーを作り、体内を輸送するのを助けます。 筋肉をつくり、また筋肉を動かすにはマグネシウムが必要です。

〜マグネシウム不足で起こる症状〜
 マグネシウム不足は食事の中にカルシウムが不足している時に起こり得ます。 又、手術後やひどい焼けどを負った人はマグネシウムの吸収力が落ちるため不足気味になります。 初期症状としては敏感症、食欲不振、疲れ、睡眠不足、筋肉の痙攣、無気力、錯覚、学習力不振等。 もっと不足すると、脈拍が速くなり、循環器系に異常をきたす。 さらに不足がひどくなるとシビレ、無感覚、筋肉をコントロール出来ない、幻覚を見る、となります。

〜マグネシウムを含む食べ物〜
 主な供給源は濃い緑色をした葉っぱ類です。又、大豆製品(豆腐、納豆)の他、アーモンド、カシューナッツ、アンズ、アボカド等が挙げられます。

 カルシウム
〜役割〜
 カルシウムは人間の全体重の1.5〜2%を占めます。 歯や骨は常に新しいカルシウムを取り続ける必要が有ります。 他には止血作用、神経上の情報伝達を果し、筋肉を動かす役目、そして脈拍を正常に保つのです。

〜カルシウム不足が起こす症状〜
 骨粗症、あごの骨の弱体、高血圧等が挙げられます。

〜カルシウムを含む食べ物〜
 最も多く含むのは乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト等)です。何れも吸収性が非常に高いのです。 牛乳にはファスファラスやマグネシウムも豊富に含まれています。 他にはフロッコリ、キャベツ、カブの葉、エビ、カニ、アーモンド、そして鮭サバ、いわし等の骨入り缶詰。

 ファスファラス                          
〜役割〜
 人間の全体重の1%を占めるファスファラスは歯と骨の形成を助けます。 ファスファラスはビタミンB群と共に体内で機能し、細胞の
 再生と維持、筋肉のコントロール、神経系、脈拍、肝臓機能の正常維持を果します。

〜ファスファラス不足が起こす症状〜
 動物性たんぱく質とカルシウムを含む食事に気を付けている限り、不足は起こりにくいと見られます。

〜ファスファラスを含む食べ物〜
 たんぱく質を含む食べ物(肉類、乳製品)に豊富に含まれています。

 


 クロミウム
〜役割〜
 クロミウムは脂質と炭水化物をエネルギーに変えるのに必要です。 体内で合成できないミネラルの為、食事で取るしかありません。 又、体内のコレステロール、脂肪をエネルギーに変えてしまうことから減量効果が有るとも言われています。

〜クロミウム不足が起こす症状〜
 でん粉質を体内で処理できなくなります。ある種の糖尿病患者に見受けられます。

〜クロミウムを含む食べ物〜
 最も多く含むのはビール酵母ですが、殆どの人はこれを取ると胃が膨張した感覚や吐き気を催すため薦められません。 他には牛肉、 レバー、鶏肉、卵、海のカキ、胚芽、ピーマン、りんご、バナナ、ほうれん草、バター等 

 モリブデン     
〜役割〜
 このミネラルは肝臓、腎臓、皮膚、骨に沢山含まれています。 モリブデンは体内の毒素を処理する上で必要とされ、他には鉄分の体内での貯蔵を助け、体の成長を促します。

〜モリブデン不足が起こす症状〜
 頭痛、食欲減退、体重減少等

〜モリブデンを含む食べ物〜
 モリブデンはヨウ素の様に、食物中含有量はその育った土地によって異なります。 葉っぱ類、豆類等

 セレニウム
〜役割〜
 1.抗酸化剤としての役割、 2.ワクチン剤に対して抗体を作る、 3.外部からの毒素の進入を妨げる、4 .そして体内でのたんぱく質処理、体の成長、性機能(特に男性の精子生産)の向上が挙げられます。

〜セレニウム不足が起こす症状〜
 心臓の筋肉に異常をきたすケシャン病は、その原因がセレニウム不足と発見されるまでに沢山の子供の命を中国で奪ってきました。 やがてそれらは、セレニウム錠剤を配布することで解決に至ってます。 セレニウム不足は、長期間点滴のみに頼った患者に良く見られます。

〜セレニウムを含む食べ物〜
 魚類、甲殻類(エビ、カニ等)、肉類、レバー、卵、野菜ではニンニク、胚芽、ビル酵母だが、モリブデン、葉酸の様に育った土地によって含有量は異なります。

 マンガン
〜役割〜
 1.たんぱく質脂質を体内で処理、 2.免疫力向上、 3.血糖値の安定、 4.細胞再生、 5.骨の成長、 6.ビタミンKと共に止血作用の役割、7.消化保護、 8.ビタミンB群と共にストレスを和らげる等

〜マンガン不足が起こす症状〜
 早い脈拍、物忘れ、歯ぎしり、身震い、目耳の機能低下、高血圧、発育不順、発作、過度の発汗、骨の未発達、精力減退、胎児への悪影響、錯覚、痙攣、心臓病、すい臓病等

〜マンガンを含む食べ物〜
 海草、卵黄、キャベツ、青い葉っぱ類(ほうれん草等)、ナッツ類、アボカド、ブルーベリー、パイナップル、干しブドウ等

-ビタミン・ミネラル白書END-

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