2000年4月

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資料提供: キャロル・アン・ウェバー
写真提供: トム・ダイペス
翻訳編集: S&F MAGAZINE


Tough Love (愛のムチ)トレーニング

「足の力が強くなるに連れて精神的にもアグレッシブ(闘争的)にならなくてはなりません。 幸いアンダーソンは、既に強い脚力を持っているので、脚力を取り返すのに他の連中の様に苦労する必要はありりません。 他の選手の場合は元々脚力が無い為、脚力を取り返すリハビリに相当な時間と苦労を費やするのです。 また脚力が強いという事は、早く元のコンディションに戻れる事も意味します。 これはスポーツ選手として大きな利点です。 
” 平和な時に出来るだけ準備しておけば、戦争時に血をあまり流さずに済む”というフレーズは
The Art of War の有名なものですが、ストレングス&コンディショニングは、フルコンタクト・スポーツを行う選手にとって、正に”平和な時”、つまりシーズンオフ中に積み上げなくてはならないものです」と語るミラー氏。 
フットボール・プレーヤーは、体に恐るべき衝撃を与えるスポーツです。 実際あれほど一試合中に打ち合ったり、掴み合ったり、潰されたり、叩きのめされたりした後、立っていられる事すら不思議な位です。 しかしストレングス・コーチが、選手を上手く鍛えていたなら、怪我する事無く、いつまでもプレー出来、パフォーマンスを向上する事が出来るでしょう。

ミラー氏は説きます。 「コンディショニング・コーチが良い仕事をして来たかどうかの目安としては、選手がプレーする前と後とを比べれば良い。 もし、試合後も同じ強さとスピードを持っていたなら、良い仕事をやって来た証しでしょう」と。
現在アンダーソンは、本人の熱意と才能から、”怪我からの回復の見本”として人々から注目を集めています。 ミラーコーチも、医者からOKが下り次第、パラシュートを着けてのダッシュを開始し、更に問題が無いとコーチと専属医共に認めたら、ウエイト・トレーニングを開始するといいます。

アンダーソンのカンバックトレーニング

 月曜日

 パーシャル・スクワット
 5 sets x 15-20 reps

 バック・スクワット
 5 sets x 10-15 reps

 ローマニアン・デッドリフト
 膝を曲げた状態からするデッドリフト。決して
 腰を床と水平になるまでかがめない様に注意。

 ステップ・アップ(踏み台昇降)

 ワンレッグ・スクワット
 バーベルを担いだ状態で片足を箱の上に
 乗せるか、或いは高台の上で片足でバランスを
 取り、ダンベルを持って行う方法。


 水曜日
 ハイパーエクステンション
  1 set x 10 reps

 フィジオ・ボール・エクステンション

 スーパーマン
 フィジオボール・クランチ
  3 sets x 30-50 reps

 インクライン・ベンチ・クランチ
  3 sets x 20 reps

 シーテッド・メデシンボール・トス
  3 sets x 20 reps

 次の3つの中から1つをする
    ・ベンチプレス
     4-5 sets x 10 reps

    ・インクライン・プレス
     4-5 sets x 10 reps

    ・オーバーヘッド・ダンベルプレス
     4-5 sets x 10 reps


チンアップ
  3 sets x 20 reps

 アップライト・ロー
  4-5 sets x 10 reps

 アブ・ベンチ
  3 sets x 10 reps

 金曜日

オリンピック・リフティング
ゆっくりとしたパーシャルな動き。
決して怪我をする前のスピードでやらない。
以下すべてのエクササイズに言えます。

 

スナッチ
 3-6 sets x 10-15 reps

クリーン&ジャーク
 3-6 sets x 10-15 reps

ステップ・アップ
 3-6 sets x 10-15 reps

ワンレッグ・スクワット
 3-6 sets x 10-15 reps

スタンディング・ロングジャンプ
 (彼のコンディションが伸びるに連れて加える事になる)

スタンディング・バーティカルジャンプ
 (彼のコンディションが伸びるに連れて加える事になる)

 

これらエクササイズをこなしながら、専属フィジカル・セラピストから常にストレッチ、マッサージ、時には必要で有れば氷で冷やす等のヘルプを受けます。 ミラー氏によると、リハビリにはおよそ500時間かかるそうです。 「殆どの人は、一度怪我をした選手がカンバックする迄に費やする時間が、どれ程長いか知りません」 とミラー氏は言います。

チームワークが大切
長く苦しいリハビリ生活の中で忘れてならないのが、前向きな姿勢です。 
ミラー氏は、アンダーソンに忘れて欲しくない事を、こう話しました。
「今迄この様な目に遭った選手は、アンダーソンだけではない。 又、彼は今現在もナンバーワン・ランニング・バックです。 だからこれからも、チームを助け引っ張って行く必用が有るのです。 その為にも、精神的に強くなくてはなりません。 幸い彼は、このチームでサポートしてくれる最高のトレーナー達が揃っています。 私達は、彼を助ける為なら労を惜しみません。 その為なら、地獄の果てでも彼に付いて行くつもりです」と。
 

強くして優しさを忘れず
フットボールをプレーしていない時、アンダーソンは子供達にとって大人の見本となるべく、前向きな生き方を実行します。 ”JAM募金”や”子供の為のJAMミラクル募金”を募り、シーズンオフ中はヨーロッパの施設や体の不自由な子供達の病院を訪れ、励まし、前向きな生き方を応援します。
アンダーソン曰く、「俺はいつも、困難と立ち向かっている子供達に勇気と希望を与えたいんだ。 そして誰しもその人なりの問題を抱えて生きているという事も判って貰いたい。 しかし大事なのは、たとえ人生で何が起ころうとも、それを乗り越え、克服し、良い方向に持っていかねばならないという事だ」と。 

正に、今の彼の境遇から出てきた重みの有る言葉です・・・

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