カルシウムは体脂肪を減らす

       


  栄養学に関しては、今日こうだと言っても明日全く別の事を説明している事が多々有ります。 それくらい新しい研究
 結果が次々と出ているという事です。 ところで相変わらず不変のように報告されているのが、カルシウムは体脂肪を
 減らすというものです。
  現在まで幾つかの調査で、無脂肪の牛乳を被験者に飲ませた例がありますが、何れも被験者は牛乳を飲まない人
 より体脂肪を落とす事ができたのでした。
  FASEBジャーナル誌に掲載された実験報告によると、被験者はカルシウムのサプリメントを摂り減量に挑戦したところ
 明らかにカルシウムのサプリメントを摂ってないグループより減量に成功したのでした。 なぜカルシウムが脂肪除去
 に役立つのかというと、カルシウムが細胞内にあるたんぱく物質を刺激する為で、エネルギーを細胞内に脂肪として
 蓄えるより、熱エネルギーとして消費する為です。
  研究では1,000ミリグラムのカルシウムを毎日摂る事を勧めています。 但し大きな体重減を期待しない事です。
 あくまで減量の基本は食事制限とエクササイズにあるのです。


 バイアグラが肺病に有効?
  バイアグラの製造元であるファイザー製薬は、子供の肺疾患を癒す為のバイアグラを開発するとの事です。

  今週10人のアメリカとヨーロッパの小児科の医者達が、ファイザー製薬の重役とロンドンで合い、子供の肺疾患の
 為に有効なバイアグラを開発する事を要請しました。 

  そもそもこの様な要請が出た理由は、ボストン小児科病院で肺疾患を患う子供にバイアグラを投与した事に始まり
 ます。 被験者となった14名の子供等は、酸素マスク無しには呼吸できない重症患者でしたが、バイアグラを投与
 すると1人は最終的に亡くなったものの、残り13名は酸素マスク無しで呼吸できる事が可能になったそうです。

  研究者の解説によると、バイアグラの血管を拡張する作用が子供の肺内の血管を拡張しているからだろうと指摘
 しています。
 多くの肺疾患を患う子を持つ親にとっては、大きな期待がバイアグラに寄せられそうです。 
                                                  (Washington Post Aug 3, 2001)

 食物せんいでは痩せない?
  痩せるプログラムを終了すると、どういう訳か殆どの人は1年もしない内に元に戻る様です。
 大抵の場合、低カロリー食ダイエットを続けるのが困難になり、最初の決意も空しく暴食に耽るのです。 
 そんな中、科学者達はどの食物が食欲を抑える効果があるのか研究してきました。
 今回研究報告で明らかになった事とは、食物繊維は体重減にはあまり効果は無いという事でした。
  研究はマサチューセッツ大学のエバ・コバカス教授率いるグループが行い、1つのグループは低カロリー食のみと、
 もう1つのグループは更に食物繊維を加えた低カロリー食を与える形で、2週間に渡る試みとなりました。
 その結果確かに食物繊維を摂ったグループは食欲を抑制する事ができたものの、体脂肪減という点では食物繊維を
 摂ってないグループと大した差はなかったとの事です。
  関係者は、2週間という期間が短過ぎるのではと指摘しています。    (Int.J. Obesity) 

 スイカは危険?
  夏の暑い日、キャンプやビーチパーティとなると、やっぱり無くてはならないのがスイカ。 これなくして夏は始まらない
 でしょう。
  そこで気になるのが、うっかり水で冷やすのを忘れていた時。 「しょうがないな」と、仕方なく生ぬるいスイカをほお張り
 がちですが、ちょっとまった! そのスイカ、危ないですよ!

  数週間前、アメリカではメロンを食べて2人無くなっています。 勿論病気になった人となると、その数は更に増えます。
 「なんでメロンやスイカが?」と、首を傾げるところですが、米国食肉管理局でマネージャーをしているダイアン・バンさん
 にとっては、驚くべき事ではないそうです。 彼女曰く、「バクテリアは、温度の高いところでは数倍のスピードで繁殖
 します。 ですから夏の暑さはメロンやスイカの表面に付着したバクテリアを一気に繁殖させるのです。」

  実はスイカやメロンの表面に付着しているサルモネラ等のバクテリアが原因なのです。 それが包丁でスイカを切り
 込んだ際、果肉に乗り移る訳です。
 実際この手の食中毒はスイカやメロンだけに限らず、キュウリやトマトなど他の野菜でも同じ形で起こり得ます。

  ではこの問題を回避する手段とはいかがなものでしょう?
 専門家のアドバイスは、1.切り売りしている果物は(良く海外のリゾート地で見かけます)、気温30度近い状態なら
 1時間以上外に置いたなら捨てる事。 2.スイカ等の果物は、食べるまで氷で常に冷やしておく事(とにかく外気に
 晒し、温度を上げない事)。 3.包丁を入れる果物や野菜は、良く洗ってから切る事(表面のバクテリアを落す)。

  更に生牡蛎(かき)についても、気を付けるよう指示しています。 生牡蛎は、あなたが肝臓病を患っているなら絶対
 避けるべき食べ物です。 又肝臓病でなくても、酒を飲んで肝機能が低下している時も同じ事です。
 弱った肝臓は、牡蛎のもつバクテリア(ハパタイタスB,C等)を殺す事ができないのです。

  夏は既に始まっております。 今年の夏に飛んだ病気で台無しにならない様、食中毒には充分気を付けましょう。

                                                   (Washington Post July 3, 2001)

 ライム病
  ライム病と聞いて、ピンとくる人はいるでしょうか?

  ライム病とは骨の感染病で、症状としては肌荒れやカゼの様な様態、関節痛、筋肉痛、疲れ、心臓病、やけどの様な
 皮膚の不快感、集中力の欠如というものです。

  今回ライム病が医学界に与えた衝撃とは、「この病はウィルスが原因ではないのでは?」という疑問です。 
 この結論が出た理由は、3ヶ月に渡る臨床実験の結果が基となっております。 その臨床実験とは、ライム病患者に
 抗ウィルス剤を投与し続けた結果、全く効果が無かったという事でした。

  現在までのところ、ライム病のウィルスは体内に潜んでおり、それが病状を引き起こしていると考えられますが、実の
 ところその原因については全く解ってないのです。 
 通常抗ウィルス剤を患者に投与すると、一時的に症状は治まるものの、半年もしない内に症状が再発するのが特徴
 です。

  ところで何よりもこの否定的な見解が昨日発表された後最も大きく反応したのが、ライム病団体でした。 彼等は
 厚生省に圧力をかけて今日まで保険を降りるようにしてきたのですが、今回の発表が原因で保険が降りなくなる可能性
 が出てきたのです。

 今しばらくは対病気のみならず、あちこちでバトルが繰り広げられる模様です。   (Washington Post June 13, 2001)

                       
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