2000年5月号

21世紀の最新ダイエットサプリメント・・・脂肪燃焼剤            ロバート・ハムリン筆

ここに紹介するダイエットピルは、薬の力を借りず自然の素材で脂肪を燃焼する効果を得ようというもので、健康食品に部類される処方箋無しで購入できるものです。 ではその優れた脂肪燃焼サプリメントを紹介する前に、それが誕生する迄の経過について先ずお話したいと思います。

そもそも処方箋無しで入手でき、自然素材を元にして作ったのを唄い文句で話題を呼んだのは、今から4、5年前、マハング(ma-huang)という名の植物から抽出されたエフェドラ(ephedra)という物質を主成分とした減量サプリメントでした。 その製品は確かに効果が有り話題を呼んだのですが、販売1年目にして大量投与をした使用者から、身体に異常をきたした報告が続出したのです。 その結果FDA(米国医薬品食品管理局)から、エフェドラを主成分とした製品の販売を禁止する通告が出ます。 当時沢山のエフェドラ・ファン(私もその内の一人)は、通告が執行される前日までに健康食品店に殺到し、買い貯めした為、この製品が飛ぶように売れ、どの店でも売り切れになったのです。 それでもエフェドラ・ファンはこの製品を求め、店から店をハシゴしたものです(私も含め)。  

エフェドラ
では先ずこの話題を呼んだ商品を分析したいと思います。 1つ目はエフェドラです。 エフェドラはベータ・アゴニストと呼ばれる体脂肪の燃焼を促進する効果が認められた物質です。 その次はカフェインです。 カフェインは体内のホルモン分泌を盛んにする事により、体脂肪の燃焼を促進し、同時に体脂肪の燃焼を妨げる物質アドノシン(adnosine)の分泌を抑制する働きが有ります。 これら2つの成分を合わせて摂取すると、体脂肪を燃焼する効果が一段と上がるのです。 但し、カフェインのみでは目立った効果は見られないと報告されています。 

1993年Daly and Colleaguesがエフェドラとカフェインとアスピリンの3つのコンビネーション(それぞれの頭文字を取ってECAと呼ぶ)から得られる脂肪燃焼効果の実験結果が報告されました。 それによると、8週間に亘り偽薬を投与したグループとECAを投与したグループの結果を比べたところ、偽薬を投与されたグループに何の変化も見られなかったのに対し、ECAを投与されたグループは平均5.4kgの体重減が確認されました。 この研究の結果、ECAを使用すると運動や食事制限に関係無く体重を減らす事が出来ると証明されました。 しかし1996年にDaly and Colleaguesに掲載された更に進んだ研究では、アスピリンはエフェドラとカフェインの相乗効果を促進する効果が無いという事を証明しています。

1994年、処方箋でのみ購入出来た減量薬Redux(現在は心臓に問題をきたすとし、販売禁止)をエフェドラ&カフェインのコンビネーションに対し、減量効果を比較検査した例が有ります。 調査は肥満率が20%と見なされる103人を対象に、1日3回20mgのエフェドラと200mgのカフェインを投与されるグループと、15mgのDexfenfluramine(Redux)を1日2回投与されるグループに分け、3ヶ月にわたり行われました。 結果はエフェドラ&カフェインのコンビを投与されたグループが、Reduxグループより20%多く減量に成功しました。

更に1992年の研究報告では、肥満女性を対象に1日1000キロカロリーに摂取量を押さえ、20mgのエフェドラと200mgのカフェインを毎回の食事の1時間前に摂取させたところ、100%の体脂肪減効果と、筋肉の減りが72%偽薬を含まされたグループより低く抑えられたとの結果が出ています。
これら充分なデータから、エフェドラとカフェインのコンビネーションには脂肪を除去する効果が有ると結論付ける事は出来ますが、あいにく全ての人にこの方法を勧める事は出来ません。 お勧め出来ない方とは、カフェインに敏感な方や、高血圧、肝臓病、甲状腺病、精神病、糖尿病、悪性貧血症、発作、心臓病等をお持ちの方です。

エフェドラとカフェインのコンビは運動能力を向上する
エフェドラとカフェインと言えば減量を思い浮かべる人が殆どですが、実は運動能力を向上する上でも有効なのです。 研究ではエフェドラとカフェインを摂取したグループと、偽薬を含まされたグループで、自転車を肉体の限界まで漕いでもらうというものでした。 結果はエフェドラとカフェインを含まされたグループの方が大きく偽薬グループを引き離したという事です。 理由はドパミン等の興奮性ホルモンが被験者の精神状態を高めただけでなく、体脂肪をエネルギーに還元して使っていたからだろうと言われています。

エフェドラとカフェインとヨヒンべのコンビは危険
1998年のクリニカル・フィジオロジーの報告では、エフェドラとカフェインのコンビに、ヨヒンベを加え実験対象者に投与したところ、循環器系の機能が運動中及び休息中に低下した事を確認。 特に肥満で循環器系に問題の有る人は、これらコンビを避ける事を強調しています。

現在では研究が更に進み、エフェドラを含まないサプリメントが出ています。 それはサインフリン(synephrine)とカフェインのコンビで出来ています。 報告によるとエフェドラ&カフェインのコンビより効果が有るとの事です。 サインフリンとはオーランティウム(aurantium)という柑橘系植物から抽出されたアルカロイド物質で、新陳代謝を促進し、同時に脂肪を燃焼させる効果が有ります。 他にはアドレナリンとドパミン(何れも興奮した時に分泌される覚醒作用の有るホルモン)の分泌も促進します。 このコンビの優れたところは、エフェドラを使ってない為、血圧にも脈拍にも何ら影響を与えないという非常に安全性が高い点です。   マウリス・ラロコック医薬研究所のラロコック博士によると、実際にサインフリンの効果をマクギル大学で実験したところ、実験対象者の新陳代謝率が上がり、1日にして128カロリー、1週間にして900カロリー分の代謝率の向上が確認されました。 しかも血圧にも脈拍にも何の影響も無くです! このサプルメントは安全性が極めて高い為、処方箋無しで健康食品として購入出来るのも喜ばしい事です。 皆様もより効率の高い減量をお望みで有れば、この製品を試すのも悪くないでしょう。 END                          

フィットネスサイトへBack!


Home