2000年5月

 

セックスとスポーツパフォーマンスの関係
  
運動能力を向上する? それともダメにする?

 

                  Part-2

(前回より続き)

ポジティブな影響を精神的にも肉体的にも与えてくれれば良いのですが、逆に肉体的にも精神的にも悪影響を与える場合も多々有ります。  特に新しいパートナーととなると、セックスが上手く行かないケースです。 その場合セックスで無くした自信が、競技能力の自信喪失に繋がる心理作用が働く傾向が有るのです。
オハイオ州出身のプロ・ワールド・ストロングマン・チャンピオン:マーク・バレンティは過去の経験からこう話します、”俺の今迄で最悪のパフォーマンスだったのは、去年のピッツバーグでの試合と、今年のメリーランドでの試合だな。 何れもその前夜にセックスをしていて、体がだるく力が抜けたように感じたんだ。 それがセックスが原因かどうか解らないけど、もう2度と同じ事を繰り返すつもりは無いよ”と。

数少ないセックスの肉体パフォーマンスへの影響に関する研究で、1995年ミネソタ州に有るセント・スコラスティカ大学のドクターT. BooneとS.Gilmoreが試みた実験報告が有ります。 それは運動能力テストの12時間前にセックスをした場合、どの様な影響をパフォーマンスに与えるかというものでした。 結果はパフォーマンスにも、心臓への負担にも、何ら影響が無いという結論に至りました。
かの有名なニューヨーク・ヤンキーズとメッツのマネージャーを経験したケイシ−・ステンジェル氏の言葉を借りると、「問題はセックスでは無く、それを求めて一晩中起きている事です。 それが結果的に選手を疲れさせるのです」

体内のホルモンバランスはセックスで良くも悪くも変わる

ホルモンのバランスがエクササイズによって大きく変わるように、セックスでも変わります。 テストステロン(男性ホルモン)の分泌は、沢山の要因に影響されます。 食事法、セックス、精神状態、体重変化、トレーニングの頻度等が、性欲や精子の生産量まで影響を与えると言います。 男性女性共に、セックスを1回行うと、血中のテストステロンのレベルが上がります。 しかし男性に限っては、複数にわたる連続したセックスは、血中のテストステロン値を下げます。
テストステロンは精神的に、攻撃的になったり闘争心を駆り立てたりします。 何れも勝つ為の重要な因子ですが、テストステロンが勝つ為の心理を向上させる作用が有るかどうかという科学的証拠は未だ有りません。

ロシアのセント・ピーターズバーグに有るフィジカル・カルチャー研究所の調査では、男性にとってセックスはパフォーマンス低下を招いたのに対し、アナボリック・ステロイド(筋肉増強剤)を使用している女性では、競技の前にセックスをすると運動能力が大きく向上したと報告されています。

結論の行方は?
このテーマは今後も議論が続くでしょう。 実際テストステロン値が落ちる程セックスをすると、肉体的にも精神的にも悪影響が有るのは間違い無さそうです。 沢山の格闘家は禁欲状態から来るイライラを、闘争心を駆り立てる術として利用しています。 又リラックスと集中力を要するスポーツをプレーする人には、イライラした精神状態はパフォーマンスに悪影響を与える模様です。 このように禁欲状態をプラスに転換し、パフォーマンスを向上出来る人がいる一方、禁欲から来る精神的ストレスや緊張で運動能力を低下させてしまう人がいます。 セックスがパフォーマンスの向上に繋がるか?低下に繋がるか?の答えは、あなた次第という事になります。 従って自分自身で経験し、どちらが自分に相応しいのか答えを見つける必要が有るのです。

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