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ハーバード大学最新研究報告   ANDRO 

JUNE Issue

マグワイヤーが使ったと言われるアンドロステネディオン 
有効性のホントのところ

メディカル・ドクターCarlon M. Colker筆
翻訳編集: S&F MAGAZINE


アンドロステネディオン(androstenedione)略してアンドロは男性ホルモンの前駆物質です。 分かりやすく言うなら、それは男性ホルモンに変換される1つ手前の物質です。  にも関らず、現在では処方箋無しで買えるサプリメントとし、どこでも買えるのです。 その理由は、1994年にDietary Supplement Health and Edudation Act(略してDSHEA)という法令が施行されるようになったからです。 しかしオリンピック委員会やNCAA(全米大学スポーツ連盟)やナショナル・フットボールリーグ(NFL)等は、アンドロの使用に反対の姿勢をとり、競技者の使用を禁止しています。 アンドロを摂れば、男性ホルモンを摂取するのと同じ効果が有り、競技者に差ができるのでは?という心配からです。

アンドロは、一時的に男性ホルモンの分泌を促進する効果があるかも知れませんが、それが 競技パフォーマンスを向上すると考えるのは、とんでもない早合点です。 男性ホルモンの長期実験結果とは異なり、アンドロに関しては、一切運動能力が向上するという研究報告が有りません。
他のスポーツ組織では、アンドロに全く興味を示さない、もしくはパフォーマンス向上に疑問を持っていると思われていた、メジャーリーグ・ベースボールは、マグワイヤーの告白のお陰で、メディアから質問の集中砲火を浴びました。 当のマグワイヤーは、スランプから抜け出した1998年のシーズン中、アンドロを使用していたと言います。 その年マグワイヤーは、偶然にも、ホームラン70本という目を剥くような記録を樹立しています。 それでもメジャーリーグは、最初の姿勢を全く変えず、アンドロの有効性を疑問とし、この研究のスポンサーを買って出たのです。

他にこの研究のスポンサーとなったのは、大リーグプレイヤー協会(Major league Player Association)と国立衛生研究所(National Institutes of Health)です。 研究結果は、米国医学協会ジャーナル誌(Journal of the American Medical Association)の2月号で報告されました。 
研究では、42名の男性(20〜40歳)を対象に、3つのグループに分け、1つのグループは1日100mg、2つ目のグループは1日300mg、3つ目のグループには何も投与しないという形で、1週間という短期的な実験をしました。 

あまり変化が期待されない他の種類のホルモンや血圧は別とし、男性ホルモンと女性ホルモン(エストロジェン)の誘導体となる、エストローン(estrone)とエストラディオル(estradiol)を、投与7日目に検査したところ、アンドロを300mg投与されたグループの血中には、男性ホルモンが極めて多く存在したのです。 興味深いのが、100mg投与されたグループでは、殆ど男性ホルモンの増加が確認されなかったのです。
実験の結果、2つの事が明らかになりました。 1つは、アンドロは男性ホルモンを分泌し得るという事と、もう1つは、男性ホルモンを分泌させるには、300mgという大量投与が必要という事です。 しかし忘れてならないのが、この研究は7日間という短期結果であり、 アンドロを使用していれば継続して男性ホルモンが得られるという確認はされていません。 又この研究では、運動パフォーマンスを向上するのか?という事についても、一切触れていません。 幸い現在これら疑問を解明すべく、研究が続けられています。 (結果は来年との事)

しかし、ここで気になる事が一つ有ります。 この研究で100mgと300mg投与された両グループに確認された事ですが、女性ホルモン(エストロジェン)値が大きく上がっていたのです。 これは厄介な問題です。 元々アンドロは男性ホルモンになる為だけのものでなく、女性ホルモンにも同じように変換されるものです。 むしろ男性ホルモンより女性ホルモンに変換されやすいと言われています。 体内に入って男性ホルモンになるか、女性ホルモンになるかは人により大きく異なるそうです。 しかしそうなると、運動能力向上のつもりで摂ったアンドロが、女性ホルモンに体内で変換されていたと考えると、ゾッとさせられます。

男性が長期間に渡り、女性ホルモンを投与された場合、健康を害するのみでなく、硬化症や心臓病を引き起しかねません。 
女性ホルモン(エストロジェン)は、更年期障害後の女性や子宮摘出手術をした方の他、ある種の甲状腺ガンを持つ男性に有効とされますが、必要でない体に投与されると、男性の場合、ガン、Gynecomastia(男性の乳首が女性の様に大きくなる)の他、血栓も起こり得ます。
何もアンドロを長期服用すると、必ずこれら病気になるとは言い切れませんが、明らかにあなたの体が女性ホルモンに晒される事を念頭に置くべきです。
研究では、100mgの投与では、男性ホルモンが得られず、女性ホルモンが確認されたというのなら、アンドロは高齢者の一時的な強精薬としてなら有効と言えるでしょう。 例えば一度に300mg摂取したとして、男性ホルモンが得られたのなら、例えそれに釣られて女性ホルモンが大量に分泌されても、一時的な事なので、長期女性ホルモン投与から来る害をあまり憂慮する事なく、精力を強める事が出来るかも知れません。

運動パフォーマンスを向上するか?の疑問への答えは、次の長期実験の結果を待つしか仕方がないでしょう。 しかし私個人の意見では、運動能力向上の為にアンドロを摂るのは馬鹿げていると思います。 理由は先程あげた、女性ホルモン(エストロジェン)が原因です。 推測するなら、大量投与を続けたら、僅かな運動能力向上が見受けられるかもしれません(バカな事はやめた方がよい)。 
私が医者として憂慮するのは、アンドロの宣伝文句に釣られて、若い男女スポーツ選手がアンドロを使用するかもしれない事です。 子供の体は年を取った人と違い、ホルモンに非常に敏感な状態にあります。 そのような時にアンドロを摂るのは、百害有って一利無しです。 
アンドロに対する最終的な私の意見は月並みですが、精力に問題の有る高齢男性に、一時的な手段として医師の管理の元使用する程度が無難だろうという事です。

                            
 

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