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        ワールド・レスリング・フェデレーションの
           今話題の女性スーパースター

                   CHYNA シャイナ)       

     2000年7月

                                                     3 - 3

超人的な肉体造り
シャイナは世界七不思議に因んで、「世界八不思議」や「初の女性スポーツエンターテイナー」とも呼ばれます。  彼女は、自分がリングでどの様に写るかを意識しながら、絶え間無く理想に向かって鍛え続けます。  「私は、今迄自分の体を人体実験の様に、超痩せ過ぎにしたり超筋肉太りにしたり、色々と体験して来ましたが、今はそれら全て面を少しずつ持つような体になっています」とシャイナは話します。

レスリングをする以前はトレーニングに対し、かなり厳格だったとシャイナが言うように、1日もトレーニングを欠かさず、必ず午前3時に目覚まし時計で起き、高タンパクヨーグルトを食べていたのです(朝のトレーニング前にたんぱく質を補給しておきたかったからだそうです)。 「当時本当にヘビーなウエイトでトレーニングをしていました。 そのお陰で、今日の筋量が維持できている」とシャイナは言います。
現在彼女は軽いウエイトでの高回数制トレーニングで、もう少しスリムになるのを望んでいます(彼女の”軽いウエイト”という意味は、どういう意味かトレーニング表を見て判断して下さい)。 しかし現実的には、年間250日地方を巡業する生活で、毎日トレーニングをする事に慣れているシャイナにとって、トレーニングの時間を見つける事は非常に困難です。 それでも何とか週4日はトレーニングをしているそうです。 しかし一度トレーニングするや、それは並の人間なら根を上げるような激しいものです。

激烈トレーニング
先ずシャイナのトレーニング論は、”どんなエクササイズでも、筋肉が完全にくたばる迄行け”というものです。 実際数は数えません。 経験から感覚的に自分が希望とする回数でくたばる重さを選ぶのです(これは本能、感覚に従うというハイレベルなインスティンクティブ・メソッドです)。 又基本に重点を置くのを強調します。 
巡業で地方を訪れた際、充分設備が整ったジムを見つけるのは一苦労のようです。 「どうしても仕方ない場合、時にコンクリートブロックをウエイト代わりにトレーニングをする事も有ります」と笑いながらシャイナは話します。 そんな彼女は、ボディビル・フィットネスのメッカ、ロサンゼルスを訪れた際は、喜んでゴールドジムへ向かいます。 彼女にとってゴールドジムは”遊び場”だそうです。  ホント、彼女がマッチョマン達と混ざり、重いウエイトで周りを驚かす姿が目に浮かびます。

プロレスはフットボールよりきつい
シャイナは、ウエイトトレーニングで鍛えてきた事が、現在の彼女にとっては大きな財産であるといいます。 「ウエイトトレーニングは自分の体を思うがままに操るコントロールレベルを上げてくれるので、自分の思うように体を動かす事が出来ます。  例えばプロレスの技1つにしても、少し見せてくれば直ぐ真似できます」と話すシャイナ。 

又、マッスル野郎は女だからと容赦しません。
「私達がやってる事は”やらせ”と思うかどうかはそちらの勝手ですが、私達のする事は並の運動神経では到底できません。 私は強くて不良っぽい女を演じてるワ。 でも相手にする男のプロレスラーは、道で見ないような筋肉大男で、私より50kg以上体重でも勝っています(シャイナの体重は大体90kg程度)。 そんな大男に投げられたり、上に飛び乗ってきたりされたら、それは相手にとっては何でもない事でも、こちらにはかなりのダメージを受けるのです」と話すシャイナ。
自分の仕事をプロフットボールプレーヤーと比べる事ができますか?と尋ねられた時シャイナは、「そりゃフットボールよりきつい事は間違い無いです。 なにせ一切肩パッドも何も無しで体当たりするのですから。 おまけに体力維持のトレーニングや食事も巡業の為ままならず、睡眠も充分でありません。 ですからまともに体の負
担となります」と説明してくれました。 

それが理由にレバスキューとシャイナは、スーツケース一杯にプロテインやプロテインバーの他、ビタミン・ミネラルに始まる沢山の健康サプリメントを抱えて歩き回っているのです。 さもなくば、リング内での激しい肉体の酷使に耐える事は不可能でしょう。

今迄筋肉マッチョがプ、ロレス中下半身付随になるなど怪我が耐えない稼業ですが、シャイナはどうでしょう? はい、沢山有ります。 膝の怪我だけでも9回手術をしています。 他には尾低骨骨折、肋骨骨折、胸の軟骨破損等です。 何れも”極日常茶飯事な怪我”だと彼女は言います。 
「この程度では”怪我”とは呼びません。 確かにタフでないとやって行けません」と話すシャイナ。 ちょっとカゼをひいたりした程度で大騒ぎする私達とは、労働条件が違うみたいです(とてもお金目当てだけで続けられる商売ではなさそうです・・・)。

究極のリベンジ(復讐)
世間に今迄無かった”強くてパワフルで筋肉質な女性”という全く新しい存在を、良いイメージで世間に認めさせたシャイナ。 一体何が今の彼女にとって喜びでしょうか? 「私が大好きな瞬間は、リングに入場する時観衆に注目される時です。 ホント、私が少し頭を動かしただけで観衆が大きく反応したり、一言言ったり、体を動かしただけで、フラッシュがダイヤモンドの様にキラキラと輝いて私を包む時、もうそれは圧巻されるばかりです!」と言います。

シャイナは、今迄バカにしたり侮辱したりしてきた冷たい世間に、成功という形で復讐をしていると言ってもいいでしょう。 
その人生の大半を”屈辱”という文字と共に生きてきたシャイナが、最後にこう話しました。 「世間には太っているや足が太い等、外見を認められず無意味に差別される女性が多くいますが、そんな女性が私を見て、シャイナのような世間に当てはまらないタイプが逆境に強く立ち向かって認められたなら、私も世間の波に流されず、自分自身を貫いて強く生きて行ける!と勇気を持って欲しいのです」 

今現在、この記事を書いている間も、シャイナはテレビドラマのゲスト出演の撮影の為、ロスとニューヨークを行き来しています。 
その昔ジョアニー・ロウラーという女優を目指し、どんな役でも進んで挑戦すると言っても、モンスターの役しかないだろうと冷たくあしらわれた1人の女性は、今やニュースウィーク(Newsweek)のカバーに載り、テレビや映画プロディーサーは何とか彼女の役を見付け出すという有様です。 誰がこのような事が起こると当時予測できたでしょう? 恐らく一番驚いているのはジョアニー本人ではないでしょうか? 世の中変れば変るものです・・・   END 

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