2000年7月

インシュリンの分泌をコントロールして 
   筋肉の発達を促進する方法!

          資料提供:トーマス・フェイ博士
          翻訳編集:S&Fマガジン

          挿絵:S&Fマガジン

殆どのウエイトトレーニングをする人は、成長ホルモンと男性ホルモンが筋肉を増強させる事を知っています。 一方インシュリンは糖分を代謝する事と大きく関っています。 例えば、血液からグルコースを細胞内に移動させたりします。 しかしインシュリンの役目はそれだけでは有りません。 インシュリンは筋肉増強に大きな貢献をするのです。 それ故筋肉を造る上で男性ホルモンや成長ホルモンと同じく重要なホルモンの1つなのです。 

科学者達は、インシュリン分泌のタイミング次第で筋肉増強に大きな拍車を掛けるとみなしています。
インシュリンはすい臓で造られ、食事後分泌量が増えます。 主な役割は、グルコースを細胞内に摂り込んだり、脂肪を造ったりします。 又たんぱく質を合成する役割をし、ボディビルダーやフットボールプレーヤーにとって、有り難いものです。 

インシュリンはアミノ酸が細胞内に摂り込まれるのを促進し、RNA(たんぱく質合成に必要なもの)の生産量を増やし、同時に筋肉内でのたんぱく質分解(エネルギーとして使われる)を妨げ、肝臓がアミノ酸をエネルギーとして使うのも妨げます。

筋肉増強
筋肉増強に大きな影響を与える重要なホルモンは、成長ホルモン、男性ホルモン、そしてインシュリンです。
これらホルモンは、筋肉細胞核へたんぱく質で筋肉を合成させるよう働きかけます。
又インシュリンはアミノ酸が筋細胞内に入るスピードを促進させる作用も有ります。 殆どのアミノ酸は、ナトリウムポンプ(細胞膜中の塩分による浸透圧)というプロセスによって筋細胞の中に摂り込まれるのですが、インシュリンはこのプロセスを促進させるのです。 
より多くアミノ酸が筋細胞内に摂り込まれるという事は、より大きく筋肉が発達する事を意味します。 それ故インシュリンは直接筋肥大の鍵を握るのです。

インシュリンはたんぱく質の分解(catabolic)も防ぐ役割もします。 ウエイトトレーニング等激しい運動をした後は、たんぱく質の代謝率が上がります。 たんぱく質の代謝とは、筋肉を造ると同時に、筋肉を分解して壊すという相反する作業を言います。 この”造る”と”壊す”のバランスがとれている為、見た目には筋肉が増大する事がない訳です。

この事から、研究で断食をしてトレーニングした人は、筋破壊率の方が大きくなり、筋肉が減少する事が確認されて います。 しかしこの筋破壊率を抑制する事ができるなら、筋肉を大きく発達できるという事です。

インシュリンの分泌を促進させる
インシュリンは筋肉を造るように促進し、同時に筋破壊を防ぐ事で、筋肉の発達に欠かせない存在です。
インシュリンは炭水化物を飲んだり食べたりすると分泌するので、
筋肉を発達させたければ運動後に炭水化物とたんぱく質を一緒に摂ると良いのです。 こうする事でインシュリンが分泌され、筋細胞内に炭水化物と同時にたんぱく質が取り込まれ、結果的に筋肉増強につながり、また同時にインシュリンがたんぱく質の分解を防ぐので、筋肉の発達が促進されるのです。(6月号のマイケルグラントのトレーニング法に同じ方法が載っています) 
実際この方法は、最先端の技術で巨額の研究費を投じて証明された事実です。 
注)炭水化物とたんぱく質の摂取は、運動後1時間以内と限られています。 それより間をおくと、食事をしてもインシュリンが分泌しにくくなるのです) 

筋肉は良い環境の元発達する
良い環境とは、効率の良いエクササイズと充分なエネルギーとたんぱく質の摂取、充分な休養、そして最後に充分なホルモンの分泌です。 これらはお互いが影響をし合い、どれか1つでも不足すると他もダメにしてしまうのです。  例えばトレーニングのやり過ぎは男性ホルモンを始めとするホルモンの分泌を減少させます。 これが筋肉や肝臓内の炭水化物を枯渇させ、続いて筋肉を壊し減少する事となるのです。 これらに注意を払いトレーニングに励めば、更なる発達が期待できるでしょう。  

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