2003年4月号

ナチュラルにテストステロン(男性ホルモン)の分泌を促進させる方法

 テストステロンは筋力と筋肉を増強させ,、パフォーマンスの向上に無くてはならない
ものです。 又精神的に競技に必用な、アグレッシブネス(攻撃的、闘争心)を駆り立
てる作用が有ります。 そして最も良く知られる役割は、男女共に精力を強くする作用です。 

 テストステロンは男性の場合睾丸と、微量ではありますが副腎皮質から分泌されます。 
そして肝臓からもアンドロステネディオンとDHEAの2種類の男性ホルモンが作られます
。 

 テストステロンは成長ホルモンを刺激し、たんぱく質の合成を助ける一方、「コーティゾル」という 筋肉を分解し、減少させるホルモンの活動を抑制する働きをします。 又神経の伝達スピードすら早めるのです。


 資料参考: Dr.トーマス フェイ
 翻訳編集: S&F MAGAZINE
 挿絵: S&FMAGAZINE

 
ご存知の様に、中学生位までは男女共に差ほど運動能力に差は有りませんが、高校生位になると男女の運動能力の差は大きく開いて行きます。 これはテストステロンの分泌が男性の体内で活発になる事が直接の原因です。 この事からも如何にテストステロンが運動能力に強い影響力を持っているのか伺えます。

 一般に男性のテストステロンのレベルがピークになるのが18〜30歳の間と言われています。 女性のテストステロンレベルは男性より遥かに少ないものの、それはそれで重要な働きをしているのです。

 テストステロンの分泌はトレーニングや食生活に大きく影響されます。 オーバートレーニング、低カロリー食、低たんぱく食、菜食主義、そして精神的ストレス等がテストステロンの分泌を低下させ、逆にコーティゾルという筋肉を破壊するホルモンの分泌を促進させる結果になります。 そうなるとトレーニングが伸び悩んだり、パーフォーマンスが上手く行かなくなり始めます。 従ってあなたが狙わなくてはならないのは、テストステロンの正常分泌を維持しつつ、コーティゾルの分泌を抑制させるという事です。

●性欲と性的パフォーマンス
 男性ホルモンは男性にも女性にも性的能力に大きな影響を与えます。 男性の場合精子の生産量及び性欲をコントロールし、男性ホルモンの分泌が低下すると、性欲が無くなり不能という事になります。 女性の場合も男性ホルモンの分泌が低下すると性欲を無くす結果となります。 特にエストロジェン(女性ホルモン)と男性ホルモンの比率が狂った場合や、女性ホルモンを含んだ避妊薬を摂取している場合に起こりがちです。 男性の場合も女性の場合も男性ホルモンパッチを貼ったり、DHEAを摂取する事で問題は解決に向かいますが、女性に男性ホルモンを投与する事を否定する意見も多々有ります。 というのは動脈血栓や心臓病を引き起こす可能性が有るからです。  

 男性ホルモンの分泌は男性の場合一般に30歳を過ぎてから下降すると言われ、俗にアンドロポーズ(男性更年期障害)に向かいます。 アンドロポーズとは筋肉が落ち始め、うつ病気味になり、セックスに対する興味を無くし始める現象です。 しかしその一方で、沢山の専門医はアンドロポーズ等無いと否定します。
なぜなら殆どの男性は、たとえ年をとっても男性ホルモンの分泌レベルは正常範囲内に留まるという意見からです。

                
●心臓病
 心臓病になる原因としては、高血圧、コレステロール、喫煙、肥満、運動不足、糖尿病などが有りますが、これらが動脈の中に脂肪を付着させ、やがて血栓になり発作を引き起こすのです。 興味深い事に、男性ホルモンは男性が心臓病 になるのを防ぐ効果が有るのに対し、女性には心臓病になる確率を高めるという事です。 しかし男性の場合とて人為的に大量摂取した場合は、逆に心臓病を起こす危険性が有ります。 女性の場合、更年期障害になるまでの心臓病になる確率は、男性に比べ遥かに低いものです。 要は女性の場合更年期障害後、男性ホルモン剤の摂取に気を付けた方が良いという事です。

★【テストステロンの分泌を促進させる10の法則】
 少なくとも男性にとって男性ホルモンが沢山分泌されるという事は、肉体的パフォーマンスを向上し、精力を増強、又性的アピールすら強めると言いますから努力して損の無い話のようです。 但し男性ホルモンを外部から摂取した場合、前立腺癌を招く可能性が有ります。 前立腺癌は男性を死に招きかねない深刻なガンの一種です。 このような問題に関らない為にも、自然に体内で分泌される手段を取るべきです。 以下に記した法則は、自然に男性ホルモンの分泌を促進させる方法です。 ご覧になると、決して特別な方法でないのが解ります。 しかしこれらを心掛ける事が大事なのです。

1. カロリーを充分取る
 カロリーを取ると言っても豚の様に食べる事を意味しません。 男性ホルモンが分泌する最適の条件は、適度の運動と常に体脂肪率を低く保つ事です。 かと言って摂取カロリーを低くし過ぎると、男性ホルモンが分泌されなくなります。 ですからたとえ減量中とは言え、最低でも1,200〜2,000カロリーを摂取し、運動で消費しましょう。

2. たんぱく質を充分取る
 ベジタリアンのような食事法では男性ホルモンの分泌を促進しません。 食物繊維質が多くたんぱく質が不足した食事内容では、ホルモンの分泌を抑制するとすら言われています。 大事なのは不必要な脂肪を取らずして赤身の肉を食べる事です。 牛肉等の赤身肉は男性ホルモンの分泌を促進します。

3. 充分なビタミンを取る
 ビタミンEとCは男性ホルモンの分泌に影響を与えると言います。 この他ビタミンAとDの不足も男性ホルモンの分泌を低下させると言いますから、 これらを充分食事から摂取できない場合はサプルメントの摂取で不足を補いましょう。

4. 充分な運動を
 強度の高い短時間に集中した激しいトレーニングが、男性ホルモンの分泌を刺激し、又ホルモンを受けつける窓口を開かせます。 ですからジョギングのような持久的運動より、腕立て伏せやウエイトトレーニングのような瞬発力を使う運動をしましょう。 

5. 体脂肪が多いなら出来るだけ減らそう
 特に腹部の脂肪層が厚いと男性ホルモンの分泌が低下すると言われます。 運動と食事法で体脂肪率を低くするよう心掛けて下さい。 尚一度皮下脂肪を薄くすると、今度は男性ホルモンの分泌が盛んになり、その男性ホルモンが脂肪を燃焼する働きをしますから、”金持ちは益々金持ちになる”という諺のように、体脂肪率を低くすればする程脂肪がどんどん無くなって行くのです。

6. オーバートレーニングに気を付けよう
 幾つかの研究では長距離ランニングをするパワーリフターは筋力が向上しない事が報告されています。 これは長距離ランニングが悪いというより、オーバートレーニングが原因と言って良いでしょう。 オーバートレーニングは男性ホルモンの分泌を低下させるだけでなく、コーティゾンという筋肉を破壊するホルモンの分泌を促進します。 ですから常に自分のプログラムに意識を払って、オーバートレーニングにならないよう気を付けましょう。

7. 睡眠を沢山取り、不必要なストレスを溜めない
 ストレスを抱えて睡眠を充分に取っていない人の男性ホルモンのレベルは低い値に有ります。 しかしストレスが全くの悪者とも呼べません。 アーノルド・シュワルツエネガ−が昔言った”常にハングリーでいる事が自分を成長させる”というように、競技者には良い意味でのストレスも必用です。 しかしここで言うストレスとは、それらとは全く関係の無い、マイナス要因しか与えないストレスを指します。 それらは精神的にあなたを参らすだけでなく、パフォーマンスすら低下させます。 ですから良いストレスと悪いストレスを見分けて下さい。 又あまり小さな事にくよくよしないよう心掛けましょう。

8. 常に自分は勝者と思え
 心理状態が男性ホルモンを分泌する上で、非常に大きな影響を与えます。 スポーツ選手が競技に勝った後の体内では、男性ホルモン値が高くなっているのに対し、競技に負けた選手の体内では男性ホルモン値が低くなっています。 この事は如何に精神状態が男性ホルモンの分泌を左右するかを意味します。 うつ病と呼ばれる症状には自信を喪失する、落ち込む、疲れやすい、精力減退、不眠症、自己罪悪感、等が挙げられますが、これらは人間である以上、時にこの様な状態になることも有ります。 症状がひどい場合はお医者さんに診てもらう事を勧めますが、そうでない場合は出来るだけマインドコントロールで、自己の健全な精神状態の維持に心掛けて下さい。

9. 性的にアクティブでいる
 少し前までは、スポーツ選手は試合前はセックスから遠ざかるよう指示されて来ましたが、実際男性に取っても女性に取ってもセックスは男性ホルモンの分泌を促進する効果が有るのです。 しかし過度のセックスはマイナス効果をもたらすので、適量を忘れずに。

10. 筋肉を維持する
 過去5年間にわたり、科学者は健康的な新陳代謝を維持する為には、筋肉を鍛え維持する必用が有る事を理解し始めました。 又男性ホルモンの分泌にも、筋肉を鍛え維持する事は大きな影響を与える事も評価されています。 エクササイズは肉体面のみでなく、精神面でもストレスを解消する等良い効果を与えてくれます。 

 

 



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